ゴールデンウィーク公開の劇場版「相棒III」の中身は?(エンタメ担当 研究委員 鈴木裕治)

大人気テレビドラマ「相棒」。特にシニア層には、絶大な指示を受けている。元旦に放送した「相棒シーズン12元日スペシャル」の平均視聴率19.6%、2日、3日に放送された「相棒祭り!新着5時間」は、再放送のエピソードを集めた番組にも関わらず、2日が9.2%、3日が10.4%と、昼間の時間帯としては高視聴率だった。

人気の秘密は?

その人気の理由はなんだろう。水谷豊扮する杉下左京が、頭脳明晰ながらちょっとおとぼけのキャラクターで、観る側が納得できる推理を展開させるところだろう。また、猟奇殺人など顔を背けるような凶悪事件が起こるわけではなく、あくまで“情”が絡んだ犯罪が起きる点など、構成も予定調和であり、シニアも安心して観られる。そして、なにより、テレビ朝日の看板番組ゆえ、きめ細かく、予算も潤沢に丁寧に制作されているところがあげられる。

「相棒」は映画でも大ヒットしている

さて、「相棒」映画版だが、まず、2008年公開の「相棒」は、興行収入が44.4億円と大ヒット。この年のアニメを含めた成績の邦画の5位だった。スピンアウト物の「相棒シリーズ 鑑識・米沢守の事件簿」は2009年に公開され興行収入7.7億円。2010年公開「相棒-劇場版II-」の興行収入は31.8億円。2013年公開のスピンアウト物「相棒シリーズ X DAY」の興行収入は13.0億円。水谷豊主演の「相棒劇場版」はさすがに、強い!

劇場版「相棒III」は?

今回の主要な舞台は、東京から300キロ離れた八丈島近くの孤島。そこは、元自衛隊員たちがキャンプをはり、特殊訓練を行っている。その島で一人の訓練生が事故死した。このありふれた事故をきっかけに、何かと悪い噂が絶えないこの島の真相を探るべく、特命係2人に命令がくだされた。本作の特徴は、やはり、2人が岩礁、絶壁、ジャングルなど、過酷な自然環境の中で捜査に奔走するところだろう。孤島が巨大な密室になったミステリーということか。冒頭から過酷な訓練場面から始まり、爆破シーンや格闘、銃撃戦など、派手なアクションが全編にちりばめられている。また。警視庁対自衛隊といった組織対決や“国防”やら“愛国心”など社会性があるテーマも流れていて、かなり“男っぽい”映画になっている。出演は、水谷豊、成宮寛貴らレギュラー陣に加え、2代目相棒の及川光博、伊藤剛志、釈由美子。監督は和泉聖治。公開は4月26日。114分。

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