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「何気ないシニアの五つの言葉が若者を傷つける」リタイアシニアで禁句は「上から目線」での発言(元気シニア時代への提言 Vol.33 2014年1月号 日本元気シニア総研 代表 富田眞司)

会社で立派な業績を残し、ハッピーリタイアしたものの、地域や若者とのコミュニケーションがうまくいかずに悩んでいるシニアが意外と多い。若者や地域の方とのコミュニケーションが下手だからだ。その主な原因となるのが、「リタイアシニアの何気ない発言」にある。話しているシニア本人はまったく気がつかないが、聞いている若者や地域の方に傷つけることがあるからだ。

それが「上から目線」にあることを忘れてはならない。高学歴で高い役職にいたシニアの方たちは、「上から目線」が良くないことを頭では十分知っている。にもかかわらず、シニアの態度や、言葉の端々つい出てしまう。

どうしてだろうか。それはシニアが「上から目線」という言葉の本当の意味を理解していないからだ。そこで、今回は「何気ない五つの言葉が若者を傷つける」上から目線についてお話する。

五つの上から目線

1. 命令口調になる

企業で上役になればたくさんの部下がいる。さらに、自分専用の秘書がつく。仕事は部下に命じ、自分の手助けは秘書に頼めばできる。役職者としての業務の手助けは何でも秘書が準備してくれる。困ったこと、頼みたいことがあれば、秘書や部下に命令する習慣が身についているリタイアシニアが多い。このビジネスパーソン時代に染みついた習慣がリタイア後の生活に足を引っ張る結果となる。

リタイア後、「仲間の会」や、「仲間との打合せ」に参加した際に、何が欲しいものがあると、つい、若い人や女性に命令してしまう。命令された若者や女性は、決してあなたの秘書でも、部下でもないので、なぜ命令されるのか、強い反感や不快感をもたれてしまう。

また、自分より若い人に対して、見下して「君づけ」で呼ぶシニアもいる。「仲間の会」や、「仲間との打合せ」では、同等の立場であるので、決して「君づけ」で読んではいけない。「さんづけ」が当然だ。

一度、相手に反感や不快感を持たれてしまうと、その人とのコミュニケーションが取れなくなってしまうので、十分注意が必要になる。

2. 決めつける

企業での役員や管理職者や主な仕事は、重要な場面での決断することだ。その習慣が抜けずに、何か問題が起きると、自分の意見でその解決策を決めつけてしまうことがある。シニアの意見が解決策としてふさわしいものなら、結果オーライとなるが、決してそうではないから問題になる。

シニアの発言はシニアが育った環境や、持っている知識などがもとになっている。今のシニアが育った時代は成長社会で努力すれば結果がもたらされた。また、70代の方は戦争も体験している。頑張り世代のシニアと、「ゆとり世代」「さとり世代」と言われる、今の若者の価値観とは当然違う。

現役時代は高いビジネス能力があり、周りからも尊敬されていた。しかし、定年後、数年も経過し、ビジネス能力も低下、社会動向情報も少なくなっているシニアは、今や「情報難民」となっている可能性が高い。情報化社会の今、ものすごい勢いで時代が進化している。常に情報の更新を行っていないと、ついていけない時代だ。

そんな時代に、シニアが決めつけることは良いことではない。対等の立場にあるなら参加者が意見を出し会い、合意で決めるべき性格なものである。

3. 批判する、疑問を投げかける

上から目線で気になるのは、他社の発言に「批判すること、疑問を投げかける」ことだ。例えば、若い人の発言に対して「ちょっと違うな?」とな「ウーン、それはどうかな?」などの発言は発言者に大きなプレッシャーをかける。

批判すること、疑問を投げかけること自体、悪いことではない。しかし、批判すること、疑問を投げかけることは、発言者の考えに疑問や否定を意味する。

正当な裏付けがあっての批判や、疑問なら問題がない。しかし、多くの場合、シニアの批判や疑問の背景には、本人の知識不足、能力不足に起因する場合がある。もし、それが無知なるが故の批判や疑問であるなら、発言した人に失礼にあたる。

ある会合で、「IT業界は成長産業である」という発言に対して、83歳の高齢者から「私はIT業界が成長産業とは思ったこともない。あなたの考えは間違っている」と指摘を受けた。鋭い視点なのか、無知からの質問なのか、私は「エーっと」思った。この発言で会場の雰囲気は暗くなってしまった。

終了後、事務局の人に発言の意味を確認したところ、発言した本人は「パソコンもケータイも使ったことがない。まったくIT業界無知の人であった」と聞き、がっかりした。つまり、まったく無知な人が決めつけ発言をしたことで会場にいた人はいやな思いをした。もし、IT業界の最先端の方の発言なら、論拠を聞きたかったが……。

このように、シニアの批判や疑問は、知識不足、理解不足による場合が多いので注意したい。この発言がまさに「上から目線」にあたる。

こうした事態を避けるためには、出された意見や発言に、中途半端な批判や、疑問を投げかけないほうがよい。正当な理由で批判するなら、出された意見を認めたうえで、どこが問題かを相手目線で回答すると上から目線にならない。

4. 失敗を認めない、責任逃れをする

企業の中で管理者としてしっかりと実績を残す活躍する人もいれば、うまくいかずつらい立場に立たされるビジネスパーソンもいる。上司から責任を追及された際に、自分の失敗を認め、素直に「ごめんなさい」と言えば済むように思えるが、それが言えないシニアもいる。それは、自分が責任を認めたことで、「けん責処分」されるからだ。決してごめんなさいと言えなかったビジネスパーソン時代の延長上にあるシニアもいる。

自分の役割が果たせなかった場合、つい屁理屈をつけて、失敗の責任逃れをしてしまう。その態度を冷静に見ていた人が、言い逃れをしたシニアの信頼性を低くしたことは言うまでもない。リタイア後の社会では、素直になることが大切なことを忘れてはならない。

5. 知ったかぶりをする

十分知っているわけでもないのに、知ったかぶりをするシニアもよくない。これも、上から目線になる。前述したが、情報社会ではものすごいスピードで情報が進化している。今の若者はネットで情報をいち早く収集している。情報難民のシニアが持つ情報ではついていけないのも事実である。何か話題が出ると、つい知ったかぶりをしてしまう態度はよくない。

「上から目線」にならないための対策

情報社会で技術進化が早い今、昔のシニアのように簡単には相談に乗れないのは当然として受け止めることだ。そのためには、素直になること、相手を認めること、さらに、相手の発言を発展させる提案ができれば、尊敬されるシニアと言われることは間違いない。

1. 素直になること、同じ目線に立つこと

若者や地域の人たちとの会話では、まず、シニアという立場を離れて素直になることである。そして同じ目線に立つことである。そうすれば自ずと「君づけ」から「さんづけ」になれる。同じ立場で会話ができる。

2. 相手を認めること、褒めること

次に相手のしていることや、相手の発言を認めることも重要だ。相手のよい発言は、積極的にほめることだ。シニアになると簡単にはほめられないのも事実だが、ほめられて嫌な人は誰もいない。人は自分を認めてくれた人に信頼を寄せる。よい人間関係は相互信頼から生まれることを忘れてはならない。

相手の提案を認め、さらに、経験豊かなシニアならではの意見を加え、その意見を発展させる提案ができれば申し分ない。これぞ、尊敬されるシニアと言えよう。

そのためには、リタイア後のシニアでも、常に新聞、テレビなどから情報をしっかり集め、世の中の動きや時代の潮流をつかみ、時代に乗り遅れないことが求められる。

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