バーチャルな出会いからリアルな付き合いへ。またはその逆(コミュニケーション担当 研究委員 木村純)

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SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)というと、まずはウェブ上のバーチャルな出会いがあり、オフ会などを通して、リアルな付き合いへ、というコミュニケーションの流れが主流であったかと思う。シニア世代での状況を考察してみる。

ソニー生命保険の「シニアの生活意識調査」(2013年9月)によると、50代から70代で構成される調査対象母集団では、ソーシャルメディアを利用している人は4割近くに達することがわかった。

最も使われているのはFacebookで、調査対象母集団の約1/4、ソーシャルメディア利用者群では2/3に及んでいる。次いでツイッター、LINE、mixiが続く。(※調査が「インターネット経由」なので、ITリテラシーが高く、全世帯の平均とは異なる。)

詳しく見ていこう。全体では38.4%。50代は41.8%となっているが、60代が34.9%、70代が35.3%と、どの世代も、1/3強以上という結果だ。まだ会社員現役を含む50代だけでなく、引退してもネットを通して社会とつながっていることがよくわかる。

調査対象母集団全体を対象とした質問で、どのような種類のソーシャルメディアを使っているのか。複数回答で聞いた結果Facebookは26.0%。つまり、調査対象母集団1000人のうち260人が利用している計算。インターネットを使うシニア層の約1/4がFacebook利用者というわけだ。

冒頭の「バーチャルからリアルへ、またはその逆」に話を戻そう。Facebookは2位以下のtwitter、LINE、mixiに比べて操作、機能も多くありながら、ここまで使われている大きな理由のひとつは、「実名性」ではないだろうか。

「バーチャルで会話して、オフ会でリアルに会う」だけでなく、リアルで会った人とも「Facebookで実名でいます」と名刺代わりにつながったり、一方何十年も会っていない同窓生も実名や出身校などでどんどんつながる機会が増えるからだ。「引退後の趣味やボランティア、第二のビジネス時代の情報交換に活用」だけでなく、「旧友や気心の知れた仲間との昔話にいつでもどこでも花を咲かせることができるツール」でもあるわけだ。

第2位はtwitter。14.2%とFacebookの半分となる。有名人をフォローしたり、ニュースを眺めたりと、いわゆるROMでも十分気軽に愉しめるところが人気なのかもしれない。

次いで多いのはLINE。これはおそらく、配偶者や子供、孫が利用しているのを受けて、気軽に連絡を取り合うためのツールとして利用し始めたものとも考えられる。

そこそこリテラシーの必要なFacebook、若年層中心イメージの強いLINEをコミュニケーションメディア、そしてツールとして徐々に使いこなし始めたシニア世代。端末の普及やインターフェースの改善などが進めば、さらに利用の範囲も増え、コミュニケーションレベルも上がっていくと想像できる。

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調査タイトル:シニアの生活意識調査
調査対象:ネットエイジアリサーチのモバイルモニター会員を母集団とする50歳~79歳の男女
調査期間:2013年9月4日~9月8日
調査方法:インターネット調査
調査地域:全国
有効回答数:1,000サンプル(有効回答から1,000サンプルを抽出)
(50歳~59歳男女 各250名、60歳~79歳男女 各250名)
調査協力会社:ネットエイジア株式会社

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