ユーザーサポートで広がる? シニア世代の親子コミュニケーション(コミュニケーション担当 木村 純)

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前回、シニア世代を親に持つ子供たちの親子コミュニケーションがスマートフォンの登場・普及でどう変化していくのか、そのための課題は、など、新たなインフラへのユーザー側、企業側の対応という観点で分析を行なってみた。

キャリア3社がiPhone対応となったこともあり、これまでの「iPhoneがいい」という指名ユーザーだけでなく、ドコモの携帯からiPhoneに替えてみたがよくわからないというシニアも多いだろう。Androidも含めスマフォは台数がかなり普及してきたものの、「会話もできるミニパソコン」というとらえ方はまだまだ普及していないという実感がする。

前回同様、マイナビニュースが実施したスマートフォンやタブレットを利用している親がいる首都圏在住の20代から40代の男女198人を対象にしたアンケート調査から、いくつか分析をしてみる。(対象者が”20代から”なので、親の世代は主に50代以降となるため、厳密にはシニア世代のみの調査ではない)

親からスマートフォンやタブレットの使い方に関して、助けを求められることがあるか、については、全体の半数近い47%が、「頻繁にある」または「たまにある」と答えた。

一方、今後シニア世代のスマートフォン、タブレットユーザーが増加すると予想されることを受け、サポートサービスが必要だと思うか聞いたところ、74.7%の人が何らかのサポートが必要と答え、その内訳としては、「家族や身近な人によるサポート」が最も多く45.5%、次いで、キャリアによるサポート(40.4%)、販売店によるサポート(36.9%)と、家族だけでなく第三者のサポートが必要と考えている人も多い。

実際、マイナビニュースの、シニア世代を親に持つ人たちの座談会では「生活する時間帯が違い即座に回答できない」「正確、的確なアドバイスはむずかしい」という声が聞かれたという。やはり子供たちはいかにデジタル世代とはいえ、ITを教えるプロでない限り、適切なタイミングに的確なアドバイスをすることはなかなか現実的にむずかしいようだ。

メーカーの「簡単・便利」への努力は引き続き進みながらも、ユーザーの高齢化、機器・サービスの高度化に伴って、プロのサービスサポートがこれからますます必要になる。

auの会員制サポートサービス「auスマートサポート」、docomoの「あんしんパック」、Softbankの「ケータイなんでもサポート」など、各キャリアのサポートサービスは、どこまでシニア世代を中心としたユーザーに身近でわかりやすく対応していけるかが、各社の競争のポイントになり、また親子間のコミュニケーションの全体の底上げにも影響してくると言えよう。

iPhoneが3キャリア対応になったことで、Appleストアへの直接相談者の数も増え、また質問・相談のハードルもかなり低くなり、シニアを中心に用語の解説から、というお客様も増えていると聞く。

会社でデジタル用語やパソコンを常時使っていた世代もシニア世代に突入しており、ここ数年が大きなデジタルコミュニケーションへの世代ごとの乗り換えのヤマと言えるかもしれない。その先には、スマフォをそこそこ使いこなせる世代がメジャーになり、より質の高く深い、親子間・世代間コミュニケーションも広がっていくことだろう。

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