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第2回 周りの人も幸せにするシニアの「夢活」(研究委員 藤生崇則)

「夢活」担当研究委員の藤生です。前回のレポートで、若者とシニアでは夢が違うということについてお話しさせていただきました。今回は、シニアの人が夢をかなえた実例を紹介します。

この人は60代の男性で、まだ50代の弟さんをガンで亡くしました。弟さんは長い闘病生活の末、手術をしたのですが、その後急逝しました。この弟さんは元県立高校教師で、手術前にブログを書きあげ、ネットにアップしていました。そのブログは赴任していた高校の素晴らしさや生徒との思い出を書いたものです。

この人は、弟さんが書き遺したブログを本にしたいと思っていましたが、どうやったらいいかわからず、そのままにしていました。そんな時、私はそのブログの存在を知り、お兄様であるこの人とお話をしたところ、ぜひ本にしたかったんだという話を聞きました。この人の夢もまた、若者にありがちな「自分が何かを得たい」というものではなく、「弟のために」「弟の生きた証を形にして残したい」というシニアらしい夢でした。

私もこの人の夢を実現させたいと思い、本を作ることにしました。この時、本人の遺稿だけでなく、追悼文も載せようということになり、教え子や関係者に追悼文を募集しました。追悼文は、当初の予定は数件のはずでしたが、結局20件以上集まってしまいました。それで最初の予定よりも倍以上のページ数になりましたが、できるだけ多くの追悼文を載せることにしました。

そのような経緯で、「あなたは、あなたらしく」と題した遺稿・追悼文集が出来上がりました。四六判、192ページ、ハードカバーです。ちなみに、表紙・挿絵のイラストは教え子のイラストレーターに描いてもらいました。部数は500部で、出版経費は約70万円でしたが、お兄様であるこの人が負担しました。この本は一周忌までに完成し、その場で親戚に配ることができました。

この本ができて、この人は故人である弟さんの存在が生き続けていることをとても喜び、「弟の本を読んで頂けるという事は弟にとっても私にとっても大変幸せなことだと感じております。」「また弟の思いが蘇りました。ありがとうございました。」「皆様に作っていただいた弟の本が多くの方に感動を与えているという事実に正直驚き、胸が熱くなります。」と語っていました。

この本の作成は、単にこの人が自分の思いを果たした、満足したというだけでなく、他の多くの人に影響を与えました。特に教え子たちは、この本の追悼文の中で先生にお礼とお別れを言っていました。例えば、「先生の授業を受けたことで私は今の私になった。」「先生に巡り会えた私は、豊かで幸せな人生を歩んでいます。」「先生、どうか見ていてくださいね。」と書いています。

また、この本を読んだ人からは「こんなにすごい(先生たちのコミットが半端ではない)高校だったのか!とびっくりしています。」「人は、これほど人に影響を与えるものなんだ、と感銘を受けました。」「何より私自身が、ここまで誇りに思える組織、全力で打ち込める仕事に出会いたいと、強く思いました。」という感想が寄せられました。

シニアの「夢活」では本人の満足だけではなく、周りの人も幸せにするものが多いと感じます。これからこのような「夢活」が当たり前になって欲しいと思います。

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