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第3回 夢活・あきらめから希望へ(研究委員 藤生崇則)

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「夢活」担当研究委員の藤生です。前回に引き続き、私がお手伝いさせていただいた「夢活」の実例を紹介します。

この人は50代の女性で、90代のお父様がずっと入院していました。お父様は点滴の針を無意識にはずしてしまうこともあるため、手足をベッドの柵に縛り付けられていることが多かったようです。お見舞いに行くたびにその姿を見て心が痛むのですが、看護してくれる病院のやり方に文句をつけるわけにもいかず、このままここで看取るしかないのかな、と考えていたそうです。海外に住んでいる孫がお見舞いに来た時、こんなのってあり得ない!と言っていましたが、日本ではこれで仕方ないのだと諦めていたそうです。父親を退院させたいという気持ちはあるけど、そうなったら看護の負担は長女夫婦にのしかかると思うと、三女であるこの人はなかなか強く言えず、長女もこのままの方が良いと思っているらしいから、とのことでした。

このような時に、私がお話を伺いました。私は、今は在宅療養という方法があるし、行政や医師側も在宅医療を推進する方向であることをお知らせしました。その後、私もいろいろ調べてみたところ、実はこの市では在宅医療に関してまだ体制が整っておらず、ようやく協議会を立ち上げて情報収集している段階でした。しかし調べていくうちに、市内で一つだけですが、在宅療養支援病院があり、訪問看護ステーションは2ヶ所あることが分かりました。また、この地域で付添婦を派遣してくれる業者を見つけ、その中で24時間の付添が可能なところを確保することができました。

そのような可能性が見えてきた中で、ご家族は病院と話をし始めました。その結果、いきなり在宅療養に切り替えるのではなく、何泊かの一時帰宅をしてみようということになり、病院側の許可も得ることができました。その際に私も長女の方と直接お話ししましたが、長女の方も決して入院させたままが良いと思っていたのではなく、仕方ないと思って諦めていた、とのことでした。また、お父様はご自宅の庭をご自分で作られていて、以前ご自宅にいた時はいつまでも庭を眺めていた、という話も伺いました。

ほどなく一時帰宅が実現し、お父様もゆっくり庭を眺めることができたようです。その後の在宅療養は残念ながら実現する前に亡くなられてしまいましたが、ご家族の方はあの時一時帰宅ができて本当に良かった、とお話ししていました。お父様にとってもまたご家族にとっても、夢を果たすことができてたいへん癒された、と話しておられました。もし私がこの人とあの時知り合わなかったら、お父様はたぶんそのまま病院で諦めの中で亡くなっていたことでしょう。そうなっていれば、今のように「癒された」という言葉は出てこないでしょう。

ところで、もしかするとシニアの人たちは、長い人生経験からあきらめ上手になってはいないでしょうか。100%の実現はしないかもしれませんが、夢に向かって生きていくこと、GTI(G:元気で、T:楽しく、I:生きがいをもって)という、日本元気シニア総研が提唱する考え方)でいることは本人のみならず、周囲の人にとっても幸せなことです。そのように感じた今回の夢活でした。

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