ペットの予防クリニック「ペットと健康」 第1回「世帯状況の変化とペット」

1506pet2 日本元気シニア総研代表の富田眞司です。最近、ペットを飼うシニアが増えていますので、獣医の石川正太郎先生からぺットと健康についての執筆をお願いすることにしました。 ———— 初めまして。私は東京都文京区大塚で予防・健診に特化した新しいコンセプトの動物病院「ペットの予防クリニック」代表で獣医師の石川と申します。 この度は縁あって日本元気シニア総研に寄稿させて頂く運びとなりました。 既にご存知かもしれませんが、厚生労働省によるレポートによると65歳以上の親族を含む世帯のうち、「夫婦のみの世帯」と「単独世帯」の割合がこの24年間(昭和61年~平成22年)で2倍近く増加したとの報告があります。 一方で、以前は長男などが家に残り、長男夫婦やその子供と3世代に渡って同居する家庭も多かったですが、このようなケースはかなり減ってきおり約3分の1程度まで落ち込んでいます。

世帯構造別にみた65歳以上の者のいる世帯の構成割合の年次推移 1506pet1<厚生労働省:平成22年国民生活基礎調査の概況>

このことは、シニア世代の「生きがい」や「生活の質」に大きな影響を与えていると考えられますが、ここでペットは大きな役割を果たします。 動物が人の心身に与える影響について科学的検証が行なわれ始めたのは20世紀後半といわれ、まだデータ的には不十分ではありますが、古代ローマ帝国時代に戦場で傷ついた兵士たちのリハビリテーションに馬が用いられるなど、動物が人に良い影響をもたらすという考えは紀元前からありました。 一般家庭においても、犬や猫(場合によっては鳥や魚なども)のペットが飼育されてきましたが、多くの人がペットというものはそのような心安らぐ存在であることを感じてきたことと思います。 犬や猫は食事を含めてその多くを飼主に依存します。そして飼主は責任をもって飼育することで犬や猫との間に絆が生まれてきます。この絆は「生きがい」や「生活の質」の向上につながり、きっと生活に素晴らしい潤いを与えてくれることでしょう。 次回以降はペットが人の心身に与える影響(血圧、社会的効果、ストレス、認知症など)を具体的にご紹介したいと思います。

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