天気を味方にして、元気シニアを目指そう! (健康担当 研究委員 酒井学雄)

天気と病気・健康

天気と病気・健康のかかわりあいは、とても深い。例えば、感想肌、花粉症や古傷が痛むというのは良く言われている。しかし、ぜんそくや脳卒中など深刻な病気を引き落とすことはあまり知られていない。冬の終わりの春になりかけの頃は、気温の変化が激しく、その影響でくも膜下出血を発症しやすい。小渕恵三元総理、長嶋茂雄氏が倒れたのも春先でした。救急車の出動理由も、同様の傾向が見られる。

大学病院の調査ではくも膜下出血の発症は明確な季節変動があり、2月と3月に多く、7月と8月に少ない。病歴・持病とは関係なく、前日の平均気温が低い時に発症が多くなる傾向も見られた。また、健康機器会社の調査では、8割の人が「天気の変化と体調には関係がある」、7割の人が「体験している」と答えた。低血圧症、ぜんそく、皮膚アレルギー、頭痛、リウマチなどの病気に限れば、9割以上の人が、お天気の体調への影響得を体験しているというデータもある。

天気のことをもっと良く知れば、もっと健康で充実した生活が出来るはずである。

健康天気予報

ドイツでは、50年以上前から天気予報と同様に「健康天気予報」が日常に定着している。テレビニュースや新聞の天気予報欄で頭痛や関節痛などの予報が出されている。ドイツでは「生気象学」が発達していて、19世紀から患者のデータが蓄積され、その気象条件との解析に力を入れてきた。日本では、広島県医師会が2006年から心筋梗塞・脳卒中予報を独自に出しているが、こうした取組みをしている地域は少ない。

※「生気象学」天気と病気の関係性を研究する学問分野

心の病気・健康

天気は、心の健康にも影響する。秋は何となく物悲しい、木枯らしが吹いたりするとなおさらである。雨の日は、なんとなく憂鬱である、気圧の変化が影響しているといわれている。血圧のゆらぎがストレスに与える影響を調べられており、自律神経のバランスと関係があると考えられているからだ。

よりGTI(元気で楽しく生きがいをもって)な生活を送るために

生活習慣病の対策が叫ばれて久しい。高血圧、糖尿病、肝臓疾患、ぜんそく、関節痛、偏頭痛、感想肌等々、生活習慣と密接に関係している病気は多い。しかし、これらの改善は、天気を充分に考慮した対策を取らなければ、成果が出ないどころか逆効果もありうる。シニアが熱中症対策で部屋の中に閉じこもっていると、熱中症になりやすいことは意外と知られていない。熱中症に影響するのは、温度よりも湿度だからである。

シニアが元気だと日本も元気になります。日本元気シニア総研の提唱する、GTIの実現を目指して、生活習慣の維持・改善と生気象学に基づく健康天気予報の活用を提案して行きますので、引き続きご愛読くださいませ。

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