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退職後の生活を左右する『退職時の資産と年金』(日本元気シニア総研 代表 富田眞司)

(初出 2012年9月 「元気シニア時代への提言」シリーズより)

退職時の生活を左右する『退職時の資産と年金』
65歳以上の人口が3074万人、人口比24.1%に

毎年敬老の日に合わせて、高齢者人口が発表されます。2012年9月16日の発表によると、高齢者人口が3000万人を突破し、3074万人となり、総人口の24.1%を占めるに至りました。団塊世代が高齢者入りし、順次、定年を迎えることになり、ますます高齢化に拍車がかかります。

定年後は「保有資産」と「年金」が頼りとなる

定年は人生の大きな変わり目になります。多くの人は定年になると仕事を辞めますので、仕事での収入がなくなることになります。そのため、多くの人の定年後の生活は、「保有資産」と「年金」が頼りになります。

「保有資産」って何でしょうか

「保有資産」とは、リタイアされたシニアの方の財産のうち、不動産を除いた「現金、預貯金、株券などの自由に使えるお金」をさします。つまり、定年後、どれだけ使えるお金を持っているかを意味し、定年後人生にとって保有資産があるかないかは、とても重要になります。

ところで、日本人の資産保有は、最新のデータによれば、1483兆円あります。何と、その6割を60代以上のシニアが保有しており、他の年代に比べ、シニアに資産保有が多いのが実態です。つまり、高齢者に資産が集中しているということです。

ちなみに、シニアの世帯平均資産は、2290万円(平成19年)となっています。しかし、資産保有の個人格差が大きく、3000万円以上保有している人は、僅か26%程度しかいません。一方で6割が2000万円以下となっています。

リタイア後、3000万円の資産が欲しいという調査結果がある

定年後、いくら資産が欲しいかという、調査がありました。その結果によると定年後は、3000万円の資産が欲しいという結果となりました。前述の実態からでは、3000万円保有者は26%と4人に1人で、多くの人はそれ以下という結果です。だから、多くの人は、何とか3000万円は手元に欲しいというのでしょう。

どんな「年金」がもらえるのでしょうか

では、シニアの収入源である「年金」はどうでしょうか。年金にも、いろいろあります。ビジネスパーソンの方は、厚生年金や企業年金になります。公務員や私立学校の教職員の方は、共済年金になります。一方、商店主などの方は、国民年金になります。

ビジネスパーソンが加入する厚生年金の標準的な収入は、夫婦で月額23~24万円程度となっています。それだけで生活できるかと言えば、ぎりぎり生活なら可能ですが、やはり、普通の生活をすれば、月額で4~5万円不足しそうです。

ちょっと裕福な生活をしたい人は、月額35万円が必要になります。厚生年金だけしか収入のない方は、月額10万円以上赤字になり、保有資産の取り崩しとなります。だから、3000万円は欲しいという結果にうなづけます。月額10万円の生活費を補てんする場合、年間120万円かかり、23年間の補てんが可能となり、何とかそれなりの生活ができると考えているのでしょうか。計算上は23年になりますが、介護生活などの費用を考えると20年程度の生活費補てんということになります。

これ以外に企業年金がもらえる人もいます。大手企業や、勤務先が業界で企業年金に入っていると、企業年金がもらえます。もらえる金額は加入年月や企業年金によって異なりますが、多い人は月額20万円以上の人もいます。企業年間で240万円以上が厚生年金にプラスされます。つまり、厚生年金+企業年金で500万円以上もらっている方もいます。一方で、国民年金は一人年額80万円程度です。随分、大きな格差がありますね。

勤めていた会社によって、かなり大きな生涯賃金格差があること、定年になって初めてわかった方もいると思います。

年金機構ネットで将来年金額試算できるようになる

年金をまだ貰っていない方で、将来、もらえる年金が気になる方は、日本年金機構が年金記録をネットで閲覧できる「ねんきんネット」で、将来の年金見込み額を試算し、比較できる新サービスが始まります。

これまでは自分の加入実績や、保険料納付額に応じた将来の年金見込み額が表示されるのみでしたが、新たに、働き続ける期間や受給開始年齢を繰り上げ、繰り下げした場合などの条件を設定すると、将来の年金額を試算して、比較できるようになりました。国民年金の記録が間違っている可能性のある死亡者の約5万件の記録を検索できるようになり、遺族年金の支給につながる可能性があります。

まさにシニアはお金の格差社会!

リタイア後の生活は、まさに、お金の格差社会と言えます。お金がある人と、お金がない人の差が極めて大きいのです。お金があっても、収入が増えないとなれば、財布の紐が厳しくなるのが実情でしょう。でも、もし、働いたり、社会貢献などで多少とも収入があれば、気持ちの上で使いやすくなるのも、心情でしょう。

団塊の世代を含む60~64歳の5割超が65歳以降も仕事を続けたいと考えていることが厚生労働省の「中高年者縦断調査」で分かりました。70歳以降でも3割近くが仕事をしたいと望んでおり、働く意欲は強いようです。同省は「年金のほかに収入が必要な人や、健康維持、社会とのつながりを求める人もいて働き続ける動機が多様になっている」と分析しています。65歳過ぎても、元気で働いている、元気シニアも増えています。

シニアライフは、「金時健志」が、重要である

もちろん、お金だけがシニアライフではありません。シニアにとって、大切なものは四つあります。それが「金時健志」と、私は思っています。

「金」はお金、「時」は時間、「健」は健康、「志」は生きがいです。時間は誰でも共通にありますが、「金」と「健」には、格差があります。最後の「志」は、その人の心の持ち方で意志にかかってきます。「志」もなく、ボーっとリタイア後を過ごしていると、知力、体力が衰え、やがて介護生活に、さらに認知症にもなりかねません。

最近のデータでは、要介護者が530万人、認知症300万人という厳しい状況となっています。65歳以上の人口3000万人に対して、530万人の要介護者の比率は17.6%にもなります。65歳以上の6人に1人が要介護者ということになります。一方、認知症患者は、要介護者の6割にも達します。怖いですね。

このようにならないために、毎日、「志」をしっかりもち、有意義に生活することで、脳が活性化します。そのためには、ゴルフ三昧よりも、シニア大学に通う方が「志」が高いと言えそうです。米国ではシニア大学に通う人が結構多いようですが、日本ではまだ少なく、これからに期待がかかります。元気で楽しく、生きがいをもったシニアが増えるには、「志」が大切ですね。

退職金は派手に使わないで、余生のために残す

話は戻りますが、収入がなくなることで、生活費が気になる方は、退職金もパーッと使わず、老後の生活費として残す方も多いようです。

退職金の使い道については、退職旅行などのリタイアを祝うものや、増改築する人もいますが、不況で先行きが見えない時代のため、老後の備えにするという選択肢を選ぶ人が増えていることも理解できます。

定年時には「保有資産」の棚卸をしましょう

定年後は年金と保有資産を使って生活することになるため、定年時に資産の棚卸をする必要があります。お金があるからと、気ままに使ってしますと、資産が底をつくことにもなりまねません。

特に、高齢者になると、介護や、認知症になる可能性も高く、そのために費用も考える必要もあります。そのため、定年を迎えるにあたり、自分が保有している財産を全部書き出し、一覧表にすることをお勧めします。

一つは、どれだけの資産があるかをチェックするものです。もうひとつは、保有する資産をどのように運用するかのデータです。

資産運用に関しては、別の機会に触れますが、まずは、どれだけの資産があるかを知ることです。つまり、「保有資産チェック」です。これから始まるリタイア後の生活に、いつまでに、どれだけ使えるかの目安を立てることができます。

「保有資産チェック」はできれば、毎年行うようにしましょう。しっかりした、シニアライフをおくることができます。

平均余命で自分がいくつまで生きられるかのメドを知る

ところで、自分がいくつまで生きられるかは自分の健康状況や両親の寿命・健康状況などや平均余命などから試算することができます。

平均余命に関しては、平成23年度の調査によると、65歳の男性は19年あり、84歳まで生きることができます。65歳の女性は24年あり、89歳まで生きることができます。70歳の男性は15年で85歳まで、女性は19年で94歳まで、80歳の男性は11年で94歳まで、女性は15歳で95歳まで生きるというものです。

100歳以上の方が5万人いるという発表がありました。ますます、長寿化する日本。元気で長生きしたいものです。

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