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定年後に、いくらあれば安心? 『定年後に必要な資産』(日本元気シニア総研 代表 富田眞司)

(初出 2012年11月 「元気シニア時代への提言」シリーズより)

定年後、年金だけで生活できるか心配な人が多い

定年を間近に迎える人にとって、気になるのは定年後、「年金だけで生活できるか」ということです。つまり、定年後の必要な資産はいくらあれば、大丈夫なのでしょうか?

ここで言う資産とは「現金、預金、株券などの現金化できるお金を指し、不動産などは含みません。

高齢化社会で、寿命が伸びる今、定年後、のんびりと生きられるかは、定年後の保有資産にかかっています。頂く年金の金額は個人によって、当然、変わってきますが、ここでは、年金額には触れないで、保有資産に限定してお話します。

定年後の「資産3000万円」は欲しいという調査

定年後の資産は3000万円欲しいという、調査結果を良く耳にします。また、2000万円もあれば、大丈夫という話もあります。かなり、抽象的で漠然とした話で、どういう意味をもつのかわかりません。では、定年後にかかる費用とはどんなものがあるのでしょうか。

定年後の費用と言えば、大きく分けて「1:生活費、2:臨時費用(増改築や旅行など)、3:要介護者になった時にかかる費用」でしょう。高齢者が心配なのは、「3:要介護者になった時にかかる費用」です。要介護費用の必要性がなく、「1:生活費」だけで済めば、不足する生活費を資産から取り崩すことになり、あらかじめ計算できます。余ったお金で、「2:臨時費用」を考えることができます。

要介護者になった時の費用が読めないことが心配のタネ!

しかし、要介護者になったとき、いくらかかるかが、よくわからないため、心配している人が多いのです。筆者は72歳、至って健康ですが、要介護になった時の費用がわからないのが心配で、なるべく、お金は使わないようにしています。同じような考え方をもっている人も多いでしょう。

国は介護保険で、要介護になった時には、1割負担で済む施策を行っています。最高の要介護度5に対して、月額36万円かかる費用に対して、1割負担で済むようになっています。これだけで、済めば何の心配もありません。

介護保険で、賄えない費用が沢山あります。例えば、限度額の上限額を超えるサービスでも受ける場合は、超えた分の全額が利用者の負担となります。このように限度額を超えた範囲のサービスを「上乗せサービス」と呼びます。

また、介護保険で給付の対象となっていないサービスを選択することも可能です。たとえば、外出介助や配食サービスが該当し、「横出しサービス」と言われています。この二つの上乗せ、横出しサービスは、全額、利用者の負担となります。この金額がいったいいくらかかるかが、読めないことが心配なのです。先輩に聞いても、個別に違うため、よくわからないのが現状でしょう。

生活者が思っている「介護費用は3285万円もかかる」という調査結果がある

そんな中、平成24年度生命保険に関する全国実態調査(生命保険文化センター、平成24年9月発表)で、下記の内容が発表されました。

「世帯主または配偶者が要介護状態となった場合に、必要と考える資金は、総額3,285万円」というものです。同調査では、世帯主または配偶者が要介護状態となった場合に、公的介護保険の範囲外の費用として必要と考える資金額を尋ねたところ、初期費用は262万円、月々の費用は17.2万円、介護の必要期間は14年1カ月となったそうです。初期費用と月々の費用に必要期間をかけあわせた費用の合計額が、総額3,285万円になったそうです。

この調査はあくまでも、意識調査なので実態ではありませんが、生活者が、こんなにも費用がかかるのかと考えていることがわかり、大変なことだと思いました。簡単に払える金額では、ありません。

実際にかかった費用は、526万円という調査結果でホッとした

では、実際にかかった費用はどうでしょうか。同調査によれば下記の通りです。

実際に配偶者が要介護状況となった時、払った自己負担の初期費用は「91万円」。配偶者が要介護状況となった時、自己負担の月額費用は「7.7万円」。実際の介護期間は、「56.5カ月」。初期費用に、介護時にかかる費用(月額負担×介護期間)を加えると、526万円という結果となっています。

介護に関する費用は、当然、介護方法によって、いろいろと違いがあるものの、この調査から、かかった費用が500万円強という数値がでたことで、一つの目安となり、ホッとしています。

2000万円の資産では、どんな生活ができるか

この数値をもとに、資産が2000万円ある場合、どんな生活ができるか、試算してみましょう。

総務省家計調査報告(平成22年)収支報告(高齢者夫婦無職世帯)の支出総額は26万4949円です。実収入が22万3757円なので、不足額が4万1191円となっています。つまり、平均的な老後生活者は、毎月4万円強の赤字になっています。

では、65歳で退職し、84歳で亡くなると想定した場合(年金だけの生活)、 仮に、現在の実収に月額5万円を保有資産から補てんし続けると、20000万円の資産は、下記のようになります。

生活費補てん額が「1200万円」(月額5万円補てん×20年間)
要介護生活費「500万円」(先の調査から推定)
臨時費用(増改築など)や予備費「300万円」

この場合、月額27万円(年金収入約22万円+5万円)支出、年間324万円支出の生活をおくることができます。現在、無収入の人の生活費の平均支出総額26万4949円に近い数値になります。

3000万円の資産では、どんな生活ができるか

では、多くの皆さんが希望している資産:3000万円では、どんな生活ができるのでしょうか。試算は、2000万円と同様な方法で行ってみました。

65歳で退職し84歳で亡くなる想定(他は無収入)、 仮に、現在の実収に月額5万円を保有資産から補てんし続けると、3000万円の資産は、下記のようになります。

生活費補てん額が「1920万円」(月額8万円補てん×20年間)
要介護生活費「680万円」
臨時費用(増改築など)や予備費「400万円」

この生活では、月額30万円(年金収入約22万円+8万円)の生活をベースに、要介護費用が680万円、さらに、臨時費用(増改築など)や予備費は「400万円 」となります。そのため、実際にシニアが送っている生活より「やや豊かな生活」をおくることができます。

もっと豊かな生活をするには、定年後の収入の確保が必要である

この資産は、定年後、年金以外の収入のない事例です。収入が少しでもあれば、もっと豊かな生活ができます。例えば、毎月5万円でも10万円でも収入があれば、それだけでも、ゆとりある生活ができます。

そのため、定年後、何もしないより、何か収入がある仕事があると良いと考えます。働くことは、生きがいにも通じ、健康年齢の拡大にも繋がります。

生涯元気であることは、500万円もの資産価値になる

もちろん、生涯元気であり、介護生活にならないことだけでも、大きな資産価値があります。前述の介護にかかる費用、500万円を使わないで済むことになります。つまり、元気であることは、500万円の節約に繋がります。

これらの数値はあくまで平均値での数値、自分の年金額に置き換えて計算する

定年後の生活は、個人差が極めて大きいのが実態です。例えば、年金では、国民年金受給者と、厚生年金受給者、さらに、公務員の年金など、大きな違いがありますので、平均値で語ることは、できませんので、自分の年金に置き換えて考えていただくと、いいですね。

要介護生活をあまり気にしないで、元気で生き生きとしたシニアライフを満喫して欲しいものです。

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