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70代の体力が向上し、元気シニアが増えているが…(日本元気シニア総研 代表 富田眞司)

(初出 2013年10月 「元気シニア時代への提言」シリーズより)

1. 「体力・運動能力調査」の結果、70代の体力が向上している

10月14日は体育の日。文部科学省は体育の日にちなんで、毎年「体力・運動能力調査」の結果を発表しています。今回の調査は昨年5~10月に、全国の6~79歳の約7万4千人を対象に実施したものです。その結果、65歳以上の高齢者は握力、上体起こし、長座体前屈、開眼片足立ち、10m障害物歩行、6分間歩行及び、新体力テストの合計点がほとんどの項目及び合計点で向上傾向を示していることが分かりました。寿命が長くなることに比例して、体力が向上することは嬉しいですね。

2. 元気な高齢者が増えれば、高齢者の年齢定義を上げる必要もでてくる

高齢者人口が増加すれば高齢者がどんどん増えます。中でも、元気な高齢者が増えればありがたい。高齢者という概念は曖昧ですが、イメージとしては年齢が高くなると、一般の人とは違う、別の扱いを受けるイメージがあります。

しかし、元気で普通の人と変わらなければ、高齢者と呼ぶのが良いか気になります。そうなると、何歳からを「高齢者」と呼ぶのか、呼び方の定義も変える必要もでてきます。これまで、65歳を高齢者のメドとしてきたようですが、これからは、70歳に引き上げる議論もでてきます。

筆者も、この11月で73歳になりますが、毎日元気で暮らしています。自分は高齢者などと思っていません。高齢者扱いされるのも嫌です。電車で席を譲られ、気分を悪くしたことを覚えています。最近は、電車では席が空いていても座らないように、元気な姿をしていると、誰も席を譲らなくなりました。

3. 体力向上の背景には「スポーツクラブ」への参加がある

話は、体力調査に戻しますが、文部科学省は、体力向上とスポーツを実施していることとの関係も調べています。政策目標として、成人の週1回以上のスポーツ実施率が3人に2人(65%程度)、週3回以上のスポーツ実施率が3人に1人(30%程度)となることを目標としています。

この調査の結果では、男女ともに高齢者(65~79歳)は、週3回以上運動・スポーツを実施している者の割合も、スポーツ基本計画における目標値である30%程度を上回っています。

高齢者のスポーツクラブへの所属が60歳以上が高く、年齢が高くなるにつれ、ほぼ所属率が高くなる傾向にあります。つまり、スポーツクラブへ所属することが運動・スポーツの実施頻度を高めるための一つの契機となることが期待されると報告書で述べられています。

4. スポーツクラブへの所属していない人は目標値を下回った

一方で、スポーツクラブへ所属していない高齢者(65~79歳)は、男子の一部の年代で週1回以上運動・スポーツを実施している者の割合が目標値(65%程度)に達しているものの、週3回以上運動・スポーツを実施している者の割合は男女ともに全年齢段階で目標値(30%程度)を下回った結果となりました。つまり、多くの高齢者は、あまり、運動・スポーツをしていないということです。

高齢者(65~79歳)でも、より確実な実施(週3回以上)を定着させるために、さらには高齢者の生きがいや仲間づくりの観点からも、身近なスポーツクラブにおける活動への参加は重要であるとレポートされています。このことは、とても重要なことです。

5. 元気な高齢者が増えていることは嬉しいが、認知症の増加も忘れてはならない

この調査で見る限り、平均値としては、元気な高齢者が増えています。健康なシニアが増えれば、それだけ、医療費や介護費用が削減されることに繋がります。

では、実際に医療費や介護費用が削減されているかというと、決してそうでもありません。医療費や介護費用は増加し続けています。

それは、平均値は良くなったのは事実ですが、運動・スポーツをあまり実施しない運動・スポーツ底辺層が沢山いるということでしょう。とくに、認知症が増加していることが心配です。

かつては、介護者の中での認知症比率は、半数程度であったものが、今や、要介護者の中で認知症の占める割合が9割にもなっています。厚労省が発表した要介護度別、認知症の割合は、下記の通りです。

★介護保険利用者の認知症の割合
要支援1で43.2%
要支援2で53.6%
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
要介護1で89.1%
要介護2で87.2%
要介護3で91.8%
要介護4で93.7%
要介護5で97.1%

要支援状況では、まだ半数程度ですが、要介護になると、一気に9割にも跳ね上がっています。「どうして、そうなる」と言いたくなります! 「要介護者への対応」に原因があるような気もします。

認知症予防には、運動、栄養、頭を使うことが大切だといいます。ところが、要介護状況になると、食事はそれなりに考えられているとしても、運動はしなくなり、頭もあまり、使わなくなります。もちろん、認知症予防に一生懸命、頑張っておられる介護施設もありますので、全部がそうではありません。多くの要介護者が、認知症になってしまっても、おかしくないと筆者は考えます。

72歳の筆者は、要介護や、認知症にならない人生を送りたいと切に思っています。PPK(P:ピン、P:ピン、K:コロリ)」と誰にも迷惑をかけないで、天国に行きたいと切に願っています。そこから生まれた筆者独自の生き方提案が「GTI(G:元気で、T:楽しく、I:生きがいを持って)」で「PPK(P:ピン、P:ピン、K:コロリ)」です。

この生き方を実現するために「日本元気シニア総研」を2013年12月に立ちあげます。主旨に賛同いただいた方たちの応援をいただいての船出になります。

6. 地域などが一丸となり、皆で、シニアに運動や各種教室を普及させる必要がある

元気シニアが増えるためには、一人では継続が難しいため、できれば、仲間と一緒に運動・スポーツや頭を使うことをするとよいと思います。

例えば、参加しやすい運動・スポーツでは、ラジオ体操、散歩、ウォーキングなどがあります。少しレベルを高めると、ジョギング、太極拳などがあります。

また、頭を使うことでは、川柳、絵画、カラオケ、そして、麻雀などのゲームも良いですね。すでに、色々な取り組みが始まっているので、一部を紹介しましょう。

7. 地域で始まっているシニアに積極的に参加して欲しい活動

「駅から散歩」「駅からハイキング」「ひと駅散歩」「Bセンスさんぽ(人々の暮らしと多様な生き物との共存を目指す街歩き)」「山の手線一周ウォーク」「ラジオ体操・みんなの体操」「健康ウォーキング」「水中ウォーキング」「ノルディック・ウォーキング」「川柳教室」「健康麻雀」「絵画教室」「カラオケ教室」などがあります。

こうした活動にシニアが自ら参加することで、「元気シニア」が増え、それが、認知症予防につながり、医療費や介護費の削減に繋がると考えます。

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