旅で学べる人生のコツ-旅慣れたシニア一人旅の雰囲気をお伝えします(研究委員 斎藤正洋)

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昨年、コペンハーゲンに向かう飛行機で出会った風景です。私は旅行ではないのですが、レストランなどの取材のために一人で飛行機に乗っていました。飛行機はスカンジナビア航空の小さめのA330。

エコノミークラスの席は、2人・4人・2人で私は真ん中に座っています。飛行機会社によりますが、だいたい同じ国の人の座席をまとめる傾向があります。お隣にはお仕事であろう、50代の日本人男性。両脇の2人掛けには70代ではないかと思われる一人旅の日本人女性。二人とも旅慣れているのか、2席を独占して、靴を脱いで畳のようにくつろいでいます。後ろの席には、日本人の個人旅行と思われる学生さん3人組。その後ろからはパックツアーのお客さんが20人くらいいる感じです。

10時間のフライトでも、意外にあっという間に過ぎます

午前11時30分出発の11時間のフライトです。飛行機に乗ると、すぐに時計をヨーロッパの時間に変えました。すると午前4時半です。時差を極力抑えたいので、離陸してすぐにアイマスクをして寝てしまいました。

私は飛行機の騒音は結構気になります。よく寝られるようにノイズキャンセルヘッドホンを用意しています。ソニーの一世代前で最高性能のノイズキャンセルヘッドホンなのですが、騒音を1/5にしてくれます。これで、ちょっと騒音から解放されてビジネスクラスに近い気分になります。

それにしてもロシア上空を飛ぶ北回りだからか、かなり機内が寒いです。ブランケットを2枚もらって重ねて体に重ねます。

途中食事を挟みながら2時間半ほど寝るとヨーロッパ時間で午前9時です。深くは眠れませんが、静かな音楽を聴きながらゆったり揺れる飛行機は快適です。

飛行機の中で現地時間に切り替える

午前9時から仕事を始めます。まずは、日本で確認できなかった書類を取り出して、ざっと読みます。1時間ほど読んでから、ヨーロッパの取材予定を整理します。予測できる不安要素をメモします。現地のコーディネーターさんに質問するためです。そして一通りの段取りを頭に記憶させます。

飛行機のスタッフがコーヒーを注ぎに回ってきます。たまにコーヒーを飲みながら一段落。これで午前11時です。飛行機の中ではできるだけ水分を採るようにしています。空気が乾燥しているのと到着後の体調を良くしておくためです。食事のときワインは少しもらいますが、2杯程度です。

それから、この原稿を書いています。1時間くらい。あと4時間でコペンハーゲンに到着です。もう一つ、二つ仕事を片付けられるでしょう。あるいは映画を2本観るのも良いでしょう。ちょっと旅に慣れてくると、11時間のフライトはそんなに長くはなく、いろいろな事を考えるのにちょうどいい時間に思えてきます。

旅によって得られるものと、失うもの

以前のコラムで旅によって得られるものを書きました。そして、旅と人生は「新しい見識や知識を見つけたり、得ることで豊かな生活を見つけることができる」と書きました。

一つ書き忘れたことがありました。大事なことですが簡単なことなので、短く書きます。新しいことをするということは、時間や予算の関係で今までのことを一つ捨てることでもあります。

長い旅をすると誰でも理解しますが、スーツケースの大きさ以上にものは持っていけないのです。そしてスーツケースが大きすぎれば、動くのが苦痛になるものです。長い旅は人生に似ている部分が多いと感じています。

これまで持っているものを一つも手放さないで、新しいものを手に入れようとして、動けなくなっている人をたくさん見てきました。誰の人生でも時間は限られています。そして、限られた人生でできることはそう多くありません。

人生のスーツケースに入れるものは何がいいでしょうか。人それぞれ大事なものは違うはずです。

本当に大切ないくつかをかなえられた人は、その後に多少貧しくても不幸なる事はない……それは旅の中で学んだことです。極端な貧しさでない限り、人は楽しく生きられます。自分たちの子供の時代を思い出せばわかるはずです。

旅の雰囲気はこちらにアップロードしています。

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