地域福祉の視点から考える元気シニアとは(地域福祉・介護担当 研究委員 太田純平)

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シニアの居場所はどこにある?

健康で過ごす期間を長くしたいと誰もが考える中、要介護・要支援高齢者590万人、認知症462万人という現状があります。その原因や解決策については様々な議論がありますが、ここでは地域でのシニアの居場所という視点から提案をしていきます。 65歳を超え、シニア世代となっても、体力的に元気な方々は多いはずです。しかし、その体力に加え、日常生活の中で心理的な楽しみをもったり、頭を使いイマジネーションする習慣がなければ、体力は衰え、日々の楽しみも減り、脳も委縮していき、結果的に要介護や認知症など望まない状態に陥りかねません。つまり、介護予防の視点からも、一人ひとりに合った居場所が必要であるということです。 居場所とは、物理的(家庭、組織等)な面だけでなく、心理的な面も含みます。社会において自分の役割があり、人との密な関係が得られる居場所があれば、それは年齢を問わず元気に楽しく生きがいを持ってキラキラと輝くことにもつながるのではないでしょうか。

地域福祉の現場からヒントを探る

元気シニアが増えていくための居場所づくりに必要なテーマの一つが地域福祉だと考えます。そもそも地域福祉とは何でしょうか。全国社会福祉協議会(全社協)によると、「地域福祉とは、それぞれの地域において人びとが安心して暮らせるよう、地域住民や公私の社会福祉関係者がお互いに協力して地域社会の福祉課題の解決に取り組む考え方」とされています。 地域の中で困っている人を援助する福祉。たとえば、鎌倉市では市の養成講座を受講した地域サポーターが自分の住む地域で周囲の人の“元気を支える役割”を担っています。具体的には、シニア向けのサロン活動をして地域の介護予防に貢献するといった活動がありますが、地域サポーター自身がシニアという方も多く、元気づくりの相乗効果も多いようです。また、最近ではオレンジカフェの取り組みが始まりました。認知症の人や認知症介護に関わっている人が集い時間を共有します。 一つひとつの取り組みの規模が大きいわけではありませんが、逆にこの小規模での活動というのが集団での結束を高め、シニアの居場所となる上で効果的な場合も多いようです。

現場の声としてシニアの居場所を発信する

私は特別養護老人ホームの介護職員であり、心身に重度な障害を持つという意味では“元気でない”シニア(日々、たくさんのことを教わり感謝しています)と関わる一方で、鎌倉市地域サポーターとして市内で元気シニアと交流しています。私自身、人生の大先輩であるシニアに学ばせていただくことが多いので、今回紹介した取り組みを始め、鎌倉の地域で行われている元気シニアにつながる活動について紹介し、新たな提案をしていきたいと考えています。

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