「モノ」発想から「コト」発想へ転換するプロモーションを展開してほしい
研究委員の岡崎浩司です。
以下の記事を読みました
シニアはセグメントができていなかった……やずや、総研+出版事業で新市場を創る
私の感想を下記に述べます。
「やずや」の社長、矢頭徹氏は、「これまでやずやは食を中心とした『モノ作り』で価値を提供してきたが、これからは豊かな『コト作り』を提供していきたい』と述べ……(中略)高度成長期やバブルを経験した世代には「モノ」よりも情報や価値のある「コト」が重視されている。このたび「コトレシピ総研」を立ち上げ……(中略)」と発表されました。
ところで、我が家では、家内が通販で「やずやの香醋」を購入しており、それを飲んでいるのは主人の私です。私は知らなかったのですが、毎月送られてくる商品には、「やまびこ」という情報誌が同封されており、3月は25日に届きました。
3月6日公開の上記の記事を見ていたので、「コト」に期待して「やまびこ」を初めて読みました。8つ折りのタブロイド判で、表紙は『昭和』を感じさせるほのぼのとしたもの。プレシニアの私には好感が持てます。中身は「読者の(やずや商品を愛飲しての)意見感想」、「(やずや商品を使用した)お料理バトル」、「やずやストーリー」、「(矢頭徹氏の)社長奮闘記」「社員のひとりごと」「すまいるだより」……。
オヤオヤ??? 情報誌とはいいながら、意見感想は50代女性を中心に、自社「やずや」商品のお褒めの言葉オンパレード。残りは社長から担当者まで登場させる内容で、一見、“社内報”ではないかと勘違いしてしまいました。その内容と記者会見での乖離に、少々落胆しました。
もともとやずやは、地方発で、伝統・歴史を全面に出し、特異なテレビCMなど効果的なプロモーションを推進し、主として富裕層のシニアをターゲットにして健康食品を製造販売するマーティングを展開してきた、イメージ作りが上手な企業だと思っています。
だからこそ、『販売者』が提供する商品その「モノ」だけでなく、これからは、その商品を購入使用してもたらされる「コト」が『生活者』に伝わることが必要になります。
社長自ら記者発表し、豊かな『コト作り』を提供していきたい、と言うからには、具体的に生活者の目に見えるように、「モノ」発想から「コト」発想へ転換するプロモーションを展開してほしいと思います。
4月号には、「コトレシピ総研」の『コト作り』の考えが反映されると期待し、新生「やまびこ」の到着を心待ちにしています。