朝散歩『目黒川を行く10』

小説・映画のような詐欺事件の舞台

目黒川上流から33番目の歩道橋 「本村橋」 と「国道1号線」に架かる34番目の「五反田橋」 とは並んでいる。 その一角に数年まえ前からメディアを賑わした「積水ハウス詐欺事件」の現場となった「旅館海喜館」跡地がある。 600坪、70億円の土地取引が地面師による詐欺事件はご存知と思う。

今年4月にやっと取り壊し工事が始まった。

まるで、映画製作のプロセスを思わせる様である。 プロデューサー、脚本、演出、キャストが勢ぞろいして、大企業「積水ハウス」がまんまと大金を騙された。 株主総会は大揺れし、会長・社長の交代劇まで発展した。

 

同じような詐欺をテーマにした映画「白昼の死角」 (角川映画、東映配給、高木彬光原作、主演は私と親しかった夏木勲) の宣伝を担当したのでこの事件は大いに感心があった。 「白昼の死角」の原作は東大法学部の学生4人が企てた《光クラブ》が法の盲点 (死角) を突いた手形詐欺事件の実話を小説化したもの。

その主犯だった人物が中近東で大儲けている話を聞きつけ、何とかマスコミの話題に出来ないかと私の好奇心が騒ぎ出した。 人づてに調べてゆくうち、帝国ホテルに事務所を構え長期ホテルに滞在している本人と名乗るⅩ氏とコンタクトが取れた。

Ⅹ氏は本人である証拠に当時の資料を数点持っていたので、匿名で顔を伏せて週刊誌の特集の掲載をとることに成功した。

本人は現在も中東の政財界に精通したコーディネーターであり、当時から頭脳明晰、手八丁の予想通りの白髪の老紳士だった。

今回の料亭詐欺は一流企業のトップ達を巻き込んだ ピカレスクロマンを読んでいるようで成り行きを注目していたが、跡地は旭硝子が買収しビルを建てるらしい。

 

目黒川五反田付近は幼い頃、東映子供映画を観に来たし、後の務め先「東映」の発祥の地でもある。 明日は続編を綴ります。

 

写真は、土嚢、本村橋、五反田橋、料亭の塀、破壊前、映画「白昼の死角」DVD,

五反田東映劇場跡。

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