シニア・ビジネス・探訪 第28回 高齢者運転講習体験教室
元気シニアビジネスアドバイザーの林野均です。
高齢者による危険運転が増えたこともあり、平成29年3月12日施行で、道路交通法が改正になりました。そして、70歳以上の運転者が免許の更新をする際の高齢者講習が改正になりました。いったいどんな講習なのか気になっていたのですが、「高齢者講習体験教室」があると聞き、体験してきました。
主催は埼玉ダイハツ販売株式会社、会場はさいたま市にあるファインモータースクール大宮校。40人ほどの参加者でした。
講習内容はまず30分の座学で、「最近の道路交通法令の改正点」。
70歳以上75歳未満の運転者は更新時に3時間の講習が必要でしたが、70歳以上75歳未満の運転者と、「記憶力・判断力に心配のない」75歳以上の運転者に対する講習は実車指導など計2時間の講習になり、75歳以上の「記憶力・判断力が少し低くなっている方」、および「記憶力・判断力が低くなっている方」に対する講習は実車指導・個人指導など、計3時間の講習になりました。
運転免許証の更新期間が満了する日の年齢が75歳以上のドライバーは高齢者講習の前に認知機能検査を受けなければなりません。(6か月前から受けることができます。)また、75歳以上のドライバーが、信号無視、通行区分違反、一時不停止などの、認知機能が低下した時に起こしやすい一定の違反行為をした時は、臨時認知機能検査を受けなければなりません。(3カ月以内に認知機能検査を受けていた場合等を除く。)臨時認知機能検査を受け、記憶力・判断力の低下が運転に影響するおそれがあると判断された高齢者は、臨時高齢者講習(実車指導と個人指導など)を受けなければなりません。更新時の認知機能検査又は臨時認知機能検査で記憶力・判断力が低くなっていると判定された方は、臨時適性検査(医師の診断)を受け、又は医師の診断書を提出しなければなりません。
次に、3班に分かれて、「誤発進抑制制御機能体験」、「認知判断力検査」、「歩行者横断テスト」を実施しました。「誤発進抑制制御機能体験」はダイハツ「スマートアシストⅢ」を搭載した実車に乗って体験するもので、「歩行者横断テスト」は車の行き交う横断歩道を渡ってみるシミュレータ装置(「わたりジョーズ君」)の体験でした。
この2つは今回の講習体験教室独自のメニューで、通常の高齢者講習にはありませんが、「認知判断力検査」は実際に行われている「認知機能検査」と同じものを体験しました。内容としては、今日(検査時)の年月日と曜日・時間を答える問題(時間の見当識)。16パターンの絵を見て憶え、少し時間が経ってから何が書かれていたか思い出して書き出す問題(手がかり再生)。時計の絵を描き、そこに指定された時間の長針と短針を書き加える問題(時計描写)。ランダムに並べられた数字の中から指定された数字を鉛筆で斜線を引いて消していく問題。76点以上は「記憶力・判断力に心配のない方」、49点以上76点未満は「記憶力・判断力が少し低くなっている方」、49点未満は「記憶力・判断力が低くなっている方」と判定されます。講師の先生によると、今日(検査時)の年月日及び曜日・時間、そして時計の絵が出来ていれば、絵の記憶は3個以上思い出せれば49点未満にはならないそうです。またこの16パターンの絵は4種類しかなく、警察庁のサイトにPDFが載っていますので、予習することも可能です。
警察庁「認知機能検査について」
https://www.npa.go.jp/policies/application/license_renewal/ninchi.html
さらには65歳以上の方はシルバードライバードック講習がほとんどの教習所で無料で受けられるそうですので、予約して練習しておくことも可能です。
今回の「高齢者講習体験講習」は初めての試みのようですが、これからも実施したいとのことですので、要チェックですね。
埼玉ダイハツ販売株式会社
→http://www.saitama-daihatsu.co.jp/
ファインモータースクール
→http://www.fine-motorschool.co.jp/