シニア世代にも受け入れられ始めたスマートフォンの普及と課題について(コミュニケーション担当 研究委員 木村純)

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2013年はスマートフォン本格普及元年であったと言えよう。2014年は従来の携帯電話(ガラケー)と逆転しそうな勢いである。当初30~40代のビジネスマンを中心に普及が始まったスマートフォンは若年層にも一気に広まり、同時にアプリやSNSなどの普及とともにコミュニケーション、さらに生活の一部となってきた。さて、シニア世代にはどのようにひろがっているのだろう。

デジタルマーケティング事業のアイ・エム・ジェイ(IMJ)が2013年10月に発表した、「シニア世代のスマートフォン利用に関する実態調査」結果からいくつか紐解いてみる。インターネット調査であるから、元々一般平均値よりも若干ITリタラシーの高い方々が分母であることを差し引いて考えたい。

まずは気になる保有率。60代は21.9%、70代以上は14.1%

60代の従来型携帯電話(ガラケー)所有率は78.1%。スマートフォン(以下スマフォ)のみは18.9%で、スマフォと2台持ちは3%。これが70代以上では、それぞれ、85.8%、12.1%、2%であった。

まだまだ「ガラケー=やっと慣れたもの」「スマフォ=新種のケータイ」というイメージがあるのか、スマフォ率が低いというよりも、ガラケー率がまだかなり高い。

一方で、買い換え意向調査から予測する2年後の保有率は、60代が29.4%、70代は22.2%。今後数年は「押す」から「触れる、なぞる」へ移行するシニアは加速度的に増えそうだ。

一日の平均使用時間は「30分~1時間」が31.3%と、最も多かった。「15~30分」の26.8%の次である第3位は「1時間以上」で22.2%となり、毎日そこそこの時間を費やしていることがわかる。

これからはTVのように時間を費やす比率の高いメディアになることが予想される。

スマフォの満足度は「満足」:24.9%、「やや満足」:26.9%をあわせると半数超えの51.8%。「不満」「やや不満」の計21.2%を大きく上回る結果となった。

文字を入力することが中心のガラケーと異なり、選んでタッチしたり、単純に読んり、観たり、調べたりという、いろいろな使い方も多いことが、これら満足度の結果にもつながっているのかもしれない。

一方で、「使いこなせている」「やや使いこなせている」の合計は41.3%と、「使いこなせていない」「やや使いこなせていない」の計36.5%よりも約5ポイント多いにとどまっていることからも、いろいろな使い方、つまり広がった用途に伴う操作方法のハードルはまだ高いようだ。

これからは、シニア世代にとってもさらに使いやすい端末側、そしてソフト側それぞれのインターフェースが人気を左右し、「使いこなせるシニア世代のスマフォ・コミュニケーション」として人気を博しそうだ。

IMJ「シニア世代のスマートフォン利用に関する実態調査」
※調査概要
調査対象者:60歳~84歳の男女
サンプル数:予備:5250 保有者本調査:772
調査手法:インターネット調査
調査時期:2013年8月23日~8月27日

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