シニア・ビジネス探訪 第70回 がん治療の最近の状況は?(免疫療法)
元気シニアビジネスアドバイザーの林野均です。
9月1日(日)に「昭和大学創立90周年記念 上條記念館グランドオープン記念 『がんの“治療と暮らし”フェア』」が開催されました。
共催は昭和大学創立90周年事業上條記念館オープン記念「がんの“治療と暮らし”フェア」実行委員会、NPO法人キャンサーリボンズ。その中の医療セミナーを聴講してきました。
一番関心を持って聞いてきたのが「免疫療法」(昭和大学腫瘍内科 主任教授の角田卓也先生)
がんに対する治療法としては、①手術(物理的摘出)、②放射線治療(放射線でがん細胞のDNAを損傷させる)③薬物療法(薬剤を用いた治療法)、④免疫療法。があります。
最近脚光を浴びているのが、ノーベル賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)・京都大特別教授が開発した薬剤「オプジーボ」を代表とする「免疫療法」だそうです。
薬物療法も死亡時期を遅らせることはできましたが、最終的には死亡ということは避けられなかったようです。①~③は直接がん細胞をターゲットに攻撃する治療法ですが、④の「免疫療法」は自らが持つ免疫システムにアプローチする方法です。
「免疫力」はダムのようにチェックポイントでさえぎられていますが、そのチェックポイントを破壊するのが「オプジーボ」のような阻害剤。
3年後の生存者が10年後にもあまり減ることがなく、グラフにすると、カンガルーの尻尾のようなラインを描いているので「カンガルーテール現象」とよばれているそうです。
角田先生は、「2027年にはがんは死亡に至る病ではなく、慢性疾患になっている」と予測しています。
角田先生には免疫療法に関する次のような著作もあります。
・『進行がんは「免疫」で治す』:幻冬舎 ・『進行がんを克服する 希望の「がん免疫療法」』:幻冬舎