家の中で楽しむサイクリング(その2)「観光と地理の体感とは」(世話役 木下敬史)

家の中で観光とは

「観光」といっても、別に有名観光地まで行かなくても楽しめるのは言うまでもありません。これまでは、それほど気にもかけなかった近場にも行ってみたくなるところはけっこうあるものです。皆さんも、若いころはあまり気にしていなかったが、シニアになって周りを見渡すと、行ってなかった場所はありませんか。私も、東京都内に面白いところがいくらでもあるのに、いつでも行けると思っていたせいか行ったことのないところがたくさんあります。

だいたい、そういうところは、名前だけ知っていて、実は所在地もあやふやなことが多いものです。改めて、歴史などを調べると、家に居ながらの観光が楽しめます。その他、自然、風景、古地図、地形、グルメ、小説の舞台など、テーマを決めていくらでも楽しむ題材を見つけることができます。

今では、わざわざ本屋さんに行ってガイドブックを買わなくてもインターネットで様々な情報が手に入ります。観光協会などの公式ガイド、クチコミ情報、個人のブログ等々いくらでもありますので、気軽に調べて楽しんでください。

自転車の良いところは小回りが利くので、例えば東京都内、横浜や鎌倉のような手ごろな広さの地域を手軽に見て回れることです。自転車に乗っているつもりになって、どこをどう走ろうかなどと考えながら、近距離の観光を頭の中で楽しんでみませんか。もちろん、その後で実際に現地を走れれば最高です。事前にどこへ行くか「計画」する時は実にワクワクする時間です。

頭の中で想像してみましょう!

頭の中で想像してみましょう!

地理の体感

私たちの普段の移動手段には、自動車・電車、自転車、徒歩があります。このうち、自動車・電車は、中・長距離を早く移動することが可能ですが、移動の時間は、あっという間に過ぎてしまうため、訪れたそれぞれの地点の情景はよく憶えているものの、位置関係はバラバラで、地域全体の空間的なつながりはイメージしにくいのではないでしょうか。

まして、どの方角に向かって動いたのか、曲がったのか、坂だったのかなど、広がりを持った立体的空間としては認識しにくいと思います。一方、徒歩の場合は、自分の足で歩き、比較的ゆっくり移動するので、途中どこにどんな建物や道があったといったことも憶えていて、歩いた区域を理解できたという気持ちになれます。ただ、体力的にきついこともありますし、時間もかかるので行動範囲は限られます。

でも、自転車の場合は、自動車や徒歩の両方の良さを兼ね備えています。しかも、徒歩に比べて移動速度は速く行動範囲は広がりますが、体への負担は少なく、シニアにとっては最適な移動手段です。(ただし、交通には気をつけてくださいね)時間をかけたいところでは自転車を降りれば良いし、自分で道を探しながら走るので、地形や訪れた場所と場所とのつながりもよくわかります。距離感や登り下りが肌でわかりますし、場所と場所の位置関係もしっかり頭の中でイメージすることができます。

その地域を、理解できた満足感に浸ることができるし、有機的に結びついた記憶は残りやすく思い出すのも容易になります。ちなみに行動範囲について言えば、よく横浜ベイエリアや鎌倉、お台場などをサイクリングしますが、半日程度でもけっこう見られます。京都あたりでも半日あれば主なお寺を移動して見て回ることも可能です。

この、地理の体感は、家にいる計画段階でも可能です。家にいながら、散歩やドライブでは考えない地理、地形をあれこれ想像することができます。どこをどのくらいの時間でどの道を通るか、この坂は急すぎないか、狭くないか、何か買いたいときにコンビニがあるかなど、考えることはたくさんあります。ご自分のペースで移動することをイメージしながら、想像してください。そんなふうに調べているうちに、その地域が頭の中でつながった一つの空間としてとらえられるようになり非常に楽しいのです。

次回は、家の中で楽しむサイクリング「記録と記憶」を書きます。

「そうそう、ここは……」などとイメージできると楽しいですね

「そうそう、ここは……」などとイメージできると楽しいですね

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