海外の旅あるき入門(ガイドブックの見方と安全の見極め方)南イタリア、ナポリ編(旅行担当 研究委員 斎藤正洋)

1402tabi

ナポリを歩いてみる

ナポリに到着した日に、ざっとスカッパ・ナポリを歩いてみました。スカッパ・ナポリはおよそ2kmくらいナポリ市街を一直線に通っている建物の間の細い道で自動車は通れないくらいの幅です。500年以上昔の道なので、馬車がすれ違うには十分だったのでしょう。それにしても、こんな長い直線の道が作れたのは、ナポリの街が現在の形になる際、計画があったからだと思います。

通りには観光の見所の教会が並んでいます。ですが、教会はヨーロッパ中で見飽きていましたので行きませんでした。ただ歩いて街の雰囲気を楽しんで、帰りました。街を歩いていて、やはりイタリアは魅力的だと感じました。なにが魅力的かといえば、基本的にフレンドリーなことです。そして笑顔があることです。

魅力的な南イタリア人の理由

日本でも魅力的な人は、穏やかな表情か笑顔の人ではないでしょうか。なぜ、イタリア人が笑顔なのかを考えると、歴史に行き着きます。古代ローマの時代から、イタリアには外国人が多く住んでいました。時には言葉が通じない、風習も違う人たちが同居していたのです。

恋に関しては、理屈なくストレートなイタリア人ですが、コミュニケーションに関しても世界一と思うくらい、話していて楽しいのです。

スカッパ・ナポリを歩いていて、突き当たると坂の上に教会が見えます。そこは”スペイン街”という、ガイドブックによっては危ない通りと言われる場所です。基本的にガイドブックは参考にしますが、信用はしないことにしています。ガイドブックは出版社が編集会社に下請けする場合がほとんどです。その下請けの編集会社が、外注のフリーライターを使って原稿を書くことが少なくありません。

過去に旅行ガイドの記者さんと旅の途中に何人か会ったことがありますが、客観的な情報より本人の主観で話す人が多かった印象でした。孫請けになれば、本来の取材予算がかなり減ります。旅ができればよいという人が書いた情報になるとすれば、それは普通の人とは生活が違ってきます。そんなわけで、誰かの主観でせっかくの旅の面白い場所を逃したくはないので、自分で確かめることにしています。

見たことのない場所へ行く魅力と安全を慎重に判断する

スペイン街は、ナポリの人口が爆発的に増えた19世紀に、都市計画として作られたエリアです。言ってしまえば団地街です。日本同様に団地は人口密度が高く、互いのプライベートが見えやすい環境のため、付き合いはざっくばらん。路上でパジャマのおばちゃんとかいます。要するにプライベートが見えちゃうのです。あまり遠慮というか生活の境界線が見えない状況は、特に旅行者にとっては危なく見えるかもしれません。住んでいる人から見れば、近所に外国人が来たら、ちょっと珍しい人です。子供が気軽に寄って来たりします。

あえて、スペイン街へ足を踏み入れてみました。このとき、夫婦での旅行だったのですが、何かあった場合は面倒なのでかなり慎重に足を踏み入れました。

街の危険度を判断するときに気にすること

初めての土地での初めてのエリアに入るのはちょっとした賭けのようなものですから、慎重に入っていきました。基本的には自己責任ですから、危ない気配を感じたらすぐに戻るつもりで、退路もしっかり考えて行動します。五感がフル回転します。

ちょっと入っていくと八百屋さんです。見るからに新鮮な野菜です。その先には肉屋さん。店先には奇麗に洗った内臓が常に水が流れるガラス箱に飾られていました。その先は、雑貨屋さん。狭いですけど小綺麗です。お店を見れば、生活が見えます。街は古いですが、荒れた雰囲気は感じません。

道は狭いし、古くて奇麗とはいえない外観の街です。でも人の服は清潔に見え、商店がちゃんと機能していました。ゴミが投げ捨てられたりしていませんでした。4人の小学生のような女の子たちが、話に熱中しながら目の前の十字路を横切りました。

ここはガイドブックに書かれているような危険はないと判断しました。でもそれは、ここまで歩いた4ブロックの道に関してです。大丈夫だろうと、すこし用心を下げましたが、慎重なのは変わっていません。

結局のところ、危ないようなことには会わず、むしろ陽気なナポリの人たちが、カメラを構えるところに寄って来てくれて、楽しく歩いていました。

旅慣れていても、安全か危険かはそういうふうに一つ一つ確認していくだけです。あとは写真をご覧ください。なんとなくおわかりいただけるのではないかと思います。

こちらにスペイン街の写真を載せておきますのでご参照ください。

http://www.saitoon.com/AftertheWorld/napoli/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA