世界無形文化遺産「和食」とシニア(食担当 研究委員 岡本恭和)

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昨年12月4日に「和食」がユネスコの無形文化遺産に登録された。ここでは「和食」とは「日本人の伝統的な食文化」と定義されており、食品や食事そのものではない。日本には四季があり自然は多彩、農水産物も多種であり食材も多様である。つまり食文化の発想は「自然を尊ぶ」ことである。無形文化遺産とは芸能や工芸技術などる物理的なモノではない伝統文化のことであり、それぞれの土地の歴史や生活慣習などと密着にかかわっているものを指す。出典 週刊東洋経済 1/18号 他

ユネスコが認めた和食の四つの特徴

●多様で新鮮な食材とその持ち味の尊重。日本ま国土は南北に長く、海、山,里と表情豊かな自然がひろがり、各地で地域に根差した多様な食材が用いられ。素材の味わいを生かす調理方法、調理器具が発達している。

●自然の美しさや季節の移ろいの表現がある。季節感を楽しむ季節の食材、花や葉を季節に合った調度品や器に飾り付けても楽しむ。

●栄養バランスにすぐれた健康的な色生活。一汁三菜を基本とする日本の食事スタイルは理想的な栄養バランスといわれている。また「うま味」を上手に使うことによって動物性油脂の少ない食生活を実現しており、長寿。肥満防止に役立っている。

●正月などの年中行事と密接に関わって育まれてきた。自然の恵みである「食」を分け合い、その時間を共にすることで家族や地域の絆を強めてきた。

シニアによる和食文化の継承

●栄養バランスに優れた健康的な食生活で特定保健用食品(トクホ)やサプリメントに頼らずに健康長寿を目指して欲しい。

●日本食の文化として季節行事の食を家族や地域で楽しみ次の世代に途切れることなく伝えていって欲しい。

和食の「和」は日本の別名だけではない。この字の訓読みには「なごむ・なごやか」「やわらぐ・やわらげる」「あえる」などがある。和食とは、なごむ食。つまり気分をなごませる食である。また和する食であり、仲よく強力しあう平和な食である。さらにやわらぐ・やわらげる食であり、痛みをなくし、適切なあんばいに調整する食でもある。

和の英訳はハーモニー(調和)でもある。多様な食材のハーモニーによって醸し出される「創発性」を意味するとも読み取れる。つまり「和」とは多様性から新しい何かを引き出すといえるかもしれない。

「和食」で新しい元気と健康を引きだし日本の文化をもっと楽しんでいきましょう。

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