朝散歩 『 目黒川を行く 1 』
目黒川の氾濫が競馬場を呼ぶ
「目黒川」は世田谷区、目黒区、品川区を流れて東京湾に注ぐまで全長7,82kmの2級河川。国道246と交差する池尻大橋より上流は現在緑道化と暗渠化されているが、更に上流は「北沢川」(水源地は羽根木公園)、「烏山川」 (水源地は世田谷城公園)、「空川」 (水源地は駒沢野公園) の三つの川が三宿と池尻の中間辺りで合流して「目黒川」となる。
江戸時代は度重なる洪水で氾濫していたらしいと郷土史には記録されており、歴史的に見ても目黒東地区の発展と切り離せない。
当時は川の東側にある多くの坂道から富士山が望め、清流と草木が豊富でこの地帯は将軍の鷹狩りが頻繁に行われていた。
歌川広重の浮世絵や錦絵に描かれているように 《江戸百景》 として人気があり、船遊びも盛んで、私の子供の頃は戦前に造られた船着き場の跡が残っていた。
川の氾濫は土地を肥やし、農業が盛んで牧草を目当てに1907年に横浜本牧から競馬場が誘致され、「目黒競馬」が開催された。1933年に府中の「東京競馬場」に移るまで26年間、目黒は競馬で多いに栄えた。
戦後は各家庭や工場からの排水が流れ込みドブ川と化した。私が住み始めた1947年(昭和22年)頃は遊歩道も桜並木もなく、春に下水が発酵して臭くて近寄れないほどだった。25年前、1995年から「清流復活事業」として、流れる水の大半は「東京都下水道局落合水再生センター」から大量の水を購入している。
さらに、遊歩道が整備され両岸のソメイヨシノ800本の苗木が植樹され、現在桜の名所として大勢の見物客で賑わう。
今は新型コロナウイルス感染防止の外出自粛中だが、朝散歩なら人と会わず、新鮮な空気と手頃な運動になる。以前から目黒川流域を通して探索したいと思っていた。今朝は快晴、太陽の光を浴びながら1時間45分の川沿いの遊歩道を堪能した。
写真は、池尻付近の目黒川起点、右から北沢川左から烏山川が合流。
緑道の人口小川横に東邦医大病院、大橋、
大橋から幅広い川となる。
すぐ横の巨大な建物は大橋ジャンクション。