シニア・ビネス探訪 第50回 移動スーパーとくし丸

シニアビジネスアドバイザーの林野均です。 立教セカンドステージ大学(RSSC)の講義を受講していますが、横浜国立大学の教授でもいらっしゃいます、安藤孝敏先生の講義「社会老年学」の中で、徳島の移動スーパー「とくし丸」のことを知りました。徳島市の出版社『あわわ』の創業者住友達也氏が2012年に設立した販売システムで、徳島の中山間地域で暮らす住友氏の母親が買い物難民化していたことから発想し、移動スーパー事業を立ち上げたそうです。 約300~400品目、約1,200点を軽トラックに積んだ、コンビニより便利な移動スーパーです。 名称の由来は、創業地の徳島と社会事業や公共の福祉に貢献する「篤志」の意味が込められているそうです。 地域のスーパーマーケットと提携し、商品を仕入れ、1つの商品を玄関先まで届ける代償・付加価値として一律10円分を値上げする「プラス10円ルール」を導入しています。 加工食品やお菓子だけでなく、車両に冷蔵庫を完備し、野菜、魚、お肉などの生鮮食品も販売します。 その他にもお惣菜に日用雑貨などスーパーで買うのと遜色ありません。 注文品を運ぶだけのただの宅配ではありませんので、お客様が実際に商品を見ながら、触りながら選ぶことができます。 その場で見て、選んで、買うことができるので、やはり買物を楽しむことが魅力の一つと思います。 スーパーの商品を運ぶことでコストを削減している面もありますし。 販売エリアをスーパーから300メートル以遠とし、スーパーに足を運びづらい人の足代わりとなるだけではなく、販売パートナーと呼ばれる、商品を運び運転する人は地域の見守り隊としての役目を果たすことも目指しています。 既存の商店と競合するのではなくむしろスーパーの売上アップに貢献するという共存を目指している点も評価できるのではないでしょうか。 一人暮らしのお年寄りなどが安心して地域で生活を送れるようにするための見守り活動は、ますます重要になってくるでしょう。「とくし丸」はただ商品を運ぶだけ、買物するだけではなく、高齢者の見守りも行っており、過去には実際に、高齢者の手助けとなったケースがいくつかあるようです。 提携スーパーや販売パートナーも募集しているようですので、詳細はホームページをご覧ください。 ・「はじめまして!移動スーパーとくし丸です」→http://www.tokushimaru.jp/ 安藤 孝敏(アンドウ タカトシ) 横浜国立大学大学院環境情報研究院教授 ・安藤研究室のホームページ → http://www.ando-lab.ynu.ac.jp/

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