シニア・ビジネス探訪 第46回 朝日 健康・医療フォーラム2018
元気シニアビジネス・アドバイザーの林野均です。
朝日新聞社主催の「朝日 健康・医療フォーラム2018」に参加してきました。
3部構成でした。
セッション1が「慶應義塾大学・朝日新聞社寄附講座連携企画 長寿研究のいま、近未来」。
特別講演①として、慶應義塾大学医学部生理学教室教授 岡野栄之(おかの・ひでゆき)先生による「超高齢社会を乗り切るための再生医療と先制医療」。再生医療というのは既に疾病により損傷を受けたり欠損した部分を再生するものであり、先制医療というのは疾病が発生する前に検知し、事前に予防するものです。
現在iPS細胞を使って、アルツハイマー病を無症候期に早期発見する技術の研究が行われているそうです。
特別講演②として、慶應義塾大学医学部百寿総合研究センター特別招聘教授 広瀬信義(ひろせ・のぶよし)先生による「110歳まで元気に生きるには?」。全国の百寿者(100歳以上の人=センテナリアン)を観察・インタビューし研究しています。百寿者は女性が男性の7倍いらっしゃいますが、機能的には女性の方が低いようです。これは男性の方が死に至る病気にかかりやすからかも知れません。年齢とともに考え方が変わって来て、百寿者には幸福感を抱いている人が多いそうです。
セッション2が俳優・タレントの毒蝮三太夫(どくまむし・さんだゆう)さんによる「マムシ流 ワハハと笑って元気に長生きのコツ」。ラジオ番組で長年に渡ってお年寄りに接してきた経験から得た、「元気に楽しく生きるコツ」をお話頂きました。やはり笑顔と、相手に対する思いやりが大事なようです。
セッション3が「フレイルと『食力』」。
講演①として、東京大学高齢社会総合研究機構教授 飯島勝矢(いいじま・かつや)先生による「まだ間に合うフレイル対策」。「フレイル」というのは健康な状態と要介護状態の、社会的に弱った状態を指す言葉ですが、可逆性があり、まだまだ様々な機能を戻せる状態です。そのために必要な健康長寿の3つの柱は「栄養・運動・社会参加」です。また最近言われているのは「BMIパラドックス」、若い頃はBMIが高いと健康に良くないのですが、高齢者の低BMIは逆に死亡率が高くなる傾向があるそうです。
講演②として、東京医科歯科大学口腔健康教育学分野講師 小原由紀(おはら・ゆき)先生による「オーラルフレイルって?食べる力を保つには」。年齢とともに、【かめない→柔らかいものを食べる→口腔機能低下】という負のスパイラルに陥るそうです。口腔機能を維持する簡単な方法として、「ぱ」、「た」、「か」を繰り返し10回発音する方法があるそうです。それぞれ、「食べ物を取り込む動き」「食べ物をすりつぶす動き」「食べ物を飲み込む時に、鼻に流れないようにする動き」に対応しているようです。
このフォーラムの詳細は、2月4日(日)の大阪でのフォーラムと併せて、3月に朝日新聞紙上に掲載されるそうです。