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「こんなはずじゃなかったシニアライフ」夫婦編 第18回は「妻との関係再構築」

元気シニアビジネスアドバイザーの原沢修一です。「こんなはずじゃなかったシニアライフ」夫婦編、その第18回目の原稿をお届けします。

熟年離婚の恐怖

「熟年離婚」男にとっては事前にその気配すら感じず予想もできない恐怖。従って「なんで今頃」と言うことになる。感謝もねぎらいもなく、今まで妥協し我慢してきたが、現役の時と変わらない夫の態度でいられることがたまらず、もう耐えられないとなるようだ。このことは新聞雑誌でも取り上げられているくらいだから離婚に至らなくても大多数の妻はそう感じているのだろう。考えたくはないが私の妻はどうなのだろう。事前に女性の友達から多少の知識を得ていたので他の夫たちとは少しは違うと思っていた。そんな矢先、あることで大喧嘩してしまった。あまりに理不尽で馬鹿にされたように感じたので頭に血が上り、私の方から離婚を切り出したくなったほどだ。しかし後で冷静になってみると、そんなことはあってはならない、ありえない。今まで妻にしてみても私の言動に傷つきストレスを感じていたことは多々あったはずだ。時々そのサインはあったが現役の時は無視して会社に行ってしまえばそれでよかったのだけれど、今はそうもいかない。お互い不機嫌そうな顔を見るのはたまらなく嫌だ。その場で話し合って解決するのがいいのだろうけれどなかなかそれができない。最近不機嫌なキレやすい男性高齢者が多いと言う。不満の持って行き場のない不機嫌な高齢者はこうして増殖していくのかもしれない。シニアにとって若い時以上に夫婦関係を大事にする努力が必要だと言うことは疑う余地はないのだが。

自分が変われたと思った瞬間

どうしたらぎくしゃくした妻との関係を改善できるか模索していた或る日、群馬の親父の実家から訃報の連絡が来た。叔父が亡くなったとのこと。電話で訃報の連絡を受けた妻は「私も言った方がいいかな」と私に聞く。私は「うん」と一言。妻が落胆したことは言うまでもない。私が「行かなくてもいいよ、1人で行ってくるから」と言うことを期待していたのだから。妻にしてみれば1回しか行ったことがなく、知り合いもなく長時間の田舎の葬儀は苦痛であることは想像できる。しかしあえて私は妻に一緒に行くと伝えた。案の定、田舎の葬儀は長かった。10時から始まり終わったのが夕方6時だった。その間妻はと言うと、意外にも93歳になる叔母と86歳になる叔母の間に挟まれ楽しそうに談笑していた。私の今は亡き親父のことや私の小さなころの話をしていたそうである。私は妻に自分の子供の頃の話や、結婚した時にはすでに亡くなっていた親父の話などほとんどのしたことはなかった。いつも畑に出て野菜作りをしている現役の老女二人は真っ黒に日焼けし、多少腰は曲がっているものの耳はしっかりしていて食欲もありとても元気だった。聞けば毎日畑に出て野菜作りをしているという。甥っ子の嫁という事で大切に接してくれていたようだ。葬儀の間妻の機嫌は良かったので私もほっとしていた。やっと長い葬儀も終わり帰路につくことにした。帰路の途中運転しながら少しためらいはしたが、思いきって「今日は一緒に来てくれてありがとう。長い時間お疲れ様」と言った。本当に心からそう思ったのである。顔は前を向いたままだったので妻の表情は分からない。ただ妻は黙っていた。恐らく私の口からこんな言葉が出てくるとは想像もしていなかったのだろう。次の日からなんとなく妻の態度が気のせいかちょっと違うように感じた。そして娘が突然「私も田舎(私の実家)に行きたい」と言い出 した。娘も小学生の頃一度行っただけだった。きっと妻が葬儀の時のことを話したのだろう。どの様に話したのかは分からないが、娘は二人の叔母に会ってみたいと言うのだ。なぜか私は嬉しかった。久しぶりに家族の主役になった気分だ。敬老の日に合わせて家族で田舎に行くことになり、娘は二人にプレセントを買って持っていくと言う。当日、叔母二人の家を訪問した。元気な叔母たちは優しく我が家族を迎えてくれた。特に成長した娘を見て感激していた。二人の叔母の温かさや優しさに触れて娘は癒され、感動すら覚えたらしく「来て良かった」と嬉しそうに言っていた。帰り際に野菜や果物のお土産をどっさりもらい田舎を後にした。2、3日後娘に「この間はお父さんの田舎まで行ってくれてありがとう」と伝えた。今回は顔を見ながら言えた。娘は表情も変えずただ「うん」とだけ言った。ま、ともかく妻にも娘にも自分なりにちょっと照れくさかったけど感謝の気持ちを言葉にして伝えた。今まで味わったことのない良い気分だった。この事が後に私の家族関係にちょっとした変化をもたらすとは思ってもみなかった。

◇感謝の気持ちを言葉にして素直に言うということは気持ちが良いものだ。感謝されることは嬉しいが、それにも増して感謝することの方が気持ちが良いような気がする。

第19回は「キッカケはちょっとした勇気」です。

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