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こんなはずじゃなかったシニアライフ 第1回「早期希望退職で、仕事から解放されることが何よりも嬉しかった」

第1回「早期希望退職で、仕事から解放されることが何よりも嬉しかった」

日本元気シニア総研代表の富田眞司です。元気でご活躍されているシニアの方とお目にかかる機会が増えています。その一人、シニアの心境を深く分析され、活躍されている原沢修一様とお目にかかり、早速、連載原稿の執筆をお願いしました。

初めまして。原沢修一と申します。私は第2の人生を豊かに送るために何が必要なのか
“こころ”の部分にスポットを当て、シニアの応援団として活動しています。
仕事から解放されて、やっと手に入れた自由のはずが・・・「こんなはずじゃなかった・・・」
想像していたとは違うシニアライフが待っていた。同様な思いを抱いた方は私だけではないと思います。これからの人生を“こころ”豊かに送るために必要な課題「どう過ごす第
2の人生」「夫婦のあり方再構築」をみなさんと共有したいと思います。

早期希望退職者募集に応募する

管理職が会議室に集められた。早期希望退職者募集の説明会であった。私は58歳になっていた。実は私はこの早期希望退職募集を心待ちにしていたのである。55歳で役職定年になり、会社での居場所を失くしていた時期だったので、渡りに船の心境であった。
定年まであと2年、2年間は遊んでいても割増退職金があるので経済的には困ることはないと、その時は思ったのである。希望退職者募集の発表がされたその日のうちに、総務課に書類を取りに行き、翌日提出した。
その時点ではまだ家族には話してはいなかった。経済的に定年までの分が保障されるのだから何ら問題はないだろうと思っていたからである。同僚たちからは「本当にいいのですか?」「もう少しで定年なのだからハッピーリタイアメントしたら」と言われた。
希望退職を募るのだから会社が厳しいことは当然わかっている。40歳代男性の元部下からは「逃げ切りましたね、うらやましいですよ」と皮肉っぽく言われもした。彼にしてみれば「去るも地獄、残るも地獄」なのかもしれない。私ももう少し若ければきっとそう思っただろう。

みんなの興味は一点「退職後はどうするのですか?」

しかし何を言われようと「いま退職することが、私にとってのハッピーリタイアメントなのだ!」と何の疑問もはさむ余地はなかった。退職するまで、あと3か月。その前にやっておかなくてはならないことがある。お世話になった会社の仲間、取引先、知人、友人、などへの挨拶は会社員としてのけじめであり、最後のイベントである。このイベントを成功させるためには誰もが納得する正当な退職理由が必要だ。あくまで希望退職なのだから。社交辞令と分かっていても今までの功績を認めてもらい、ねぎらいの言葉をかけてもらいたいと思っている自分がいる。これがプライドというものなのか。挨拶は思い出話から始まり、みんな忙しいのはわかっていても、つい長話になってしまう。
人は過去のことを聞かされても面白くないし、興味もないことはその時には気が付かなかった。仕方なく聞いていたのだろう。逆の立場だったら私もきっとそう思う。全く赤面ものである。そしてみんなの興味は一点「退職後はどうするのですか?」であった。
そう、みんなは私の“これから”に興味を持っていたのである。「しばらくはゆっくりして、それからゆっくり考えるよ」と答えるしかなかった

仕事から解放されることが何よりも嬉しかった

先のことは辞めてから考えればいいくらいに思っていたし、とにかく仕事から解放されることが何よりも嬉しかった。退職後のことを考えると自然とほほが緩んでしまう。会社や仕事から解放され、やっと手に入る自由。何をするということではないが、これからはすべて自分自身で決めることができる。自由を満喫できる喜びがそうさせたのである。

退職後の居場所と役割

自分は退職後のことをどのくらい真剣に考えていたのだろうか。長い第2の人生や身近な家族や地域社会より、目先の仕事から解放されることで頭がいっぱいであった。退職するということは会社(たて社会)から家庭・地域(よこ社会)に転職することなのだ。
そしてそこに居場所を確保し役割を持つことの大切さを後になって知ることになる。

次回、第2回は「自由という名の男のロマン」

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